2011/01/07

マイホーム日記:Low-Eガラスについて再び

マイホーム日記:設計3 (窓)で、
遮熱タイプは金属膜が室外側にあり、太陽光を空気層手前で室外に跳ね返します。断熱タイプは金属膜が室内側にあり、暖房で温まった室内からの赤外線を空気層手前で室内に跳ね返します。両者とも空気層を温めないので伝導で熱が伝わりにくい
と書いたものの、どうもしっくり来ないので色々と調べていたら、どうやら嘘を書いていたようです、大変失礼しました。m(_ _)m

しっくり来ていなかったのは4mmから12mm程度の空気層で熱が吸収される、という点。15kmもの大気層を通過してきた太陽光が高々12mm程度の空気層を有意に暖めるものかとってこと。
Low-Eガラス: 住宅設備のウソ・ホント
ぺアガラスの室外側ガラスの内面に金属膜をコーティングすると外の熱が室内に伝わりにくくなる(=遮熱)。一方、同じペアガラスの室内側ガラスの外側面に金属膜をコーティングすると、室内の熱が外に奪われることを防ぎやすくなる(=断熱)。
このあたりを読むと、ウソ・ホントも何も、条件と結果は書いてあるけど原理が書いてありません。大抵の解説はこんな感じです。
伊藤建築設計室:ペアガラスの「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」について
空気層よりも金属塗膜が室内側にある断熱タイプは、赤外線の影響を空気層が受けることになります。
空気層よりも室外側にあって、赤外線を遮断する遮熱タイプに比べると、空気層がちょっと太陽光線の影響を受けることになります。
どうもこのあたりを読んで信じてしまったようですが、これは嘘です。
窓ガラス(複層ガラス)のことなら旭硝子のGlass Plaza:総合カタログ「技術資料編」:第3章 光・熱・省エネルギー
これを見ると、15kmの大気層を通過しても特定の波長を除き概ね半分以上が地上に到達しています。これが、高々12mm(大気層厚の1,000,000以下)で有意な熱吸収があるはずは有りません。

ということで、いろいろ調べていたところLOW-Eガラスの断熱タイプと遮熱タイプについて - 日本最大の一戸建て掲示板:e戸建て:>>26 >>27で教えてもらいました。

遮熱・断熱効果の基本は赤外線を選択的に反射、可視光線を選択的に透過する金属膜を張ることによって得られるというところまでは分かっていましたが、理解していなかったのは金属膜による光吸収の影響。
日本板硝子の商品カタログサイト:PAIRMULTI
図の透過光(オレンジ)と反射光(水色)の間の白い帯が吸収される光ということになります。
この光吸収が主に発生するのは金属膜のようですが、光吸収によって発生した熱は再放射するか、伝導するかのいずれかです(金属は対流しないので)。そのうち伝導は空気よりも熱伝導率が高いガラス側に向かってより多く発生します。
したがって、金属膜付きガラスが室外側にあるのが遮熱タイプ、室内側にあるのが断熱タイプということになるようです。

その結果としてのガラスの使い分けについては、私の意見に変わりはありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿